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風が気持ちいいなぁ。
美海はウトウトしだした。
疲れた…。
美海は膝に顔を伏せる。
サァァァァ…
風で美海の茶色い髪が揺れている。
スースー…
ジャリジャリ…
美海が夢の中に入って少し経った頃、境内の砂利を歩く音が聞こえた。
ジャリジャリジャリジャリ…
美海は一向に起きない。成立離岸公司 - easyCorp
ジャリ…
小さく肩を叩かれた。
「美海さーん。起きてくださーい」
「んー―…」
はぁ。これが不逞浪士だったら間違いなく斬られてますよ…。ただでさえ髪の色が茶色いから美海さんって分かるのに。
歩いてきたのは沖田だ。
「無防備すぎですよ」
確かに美海の茶色い頭は正面に向かって丸出しだ。顔は見えないが。
沖田は美海の髪を少し上に上げた。
ピク…
耳元に口を持っていく。
「みっなみさー――ん!」
ガタッ!
「うわぁ!?」
沖田は美海の耳元で大声を上げた。
無論美海は飛び起きる。
「ななななななんですか!?鼓膜破れます!」
美海は心臓がバクバクしているようで胸に手を当てている。
「いやぁ。起きないから」
「あ。私寝てたんですか…。ついつい」
「はぁ。寝るのは結構ですけど屯所で寝てください。襲われますよ?」
いろんな意味で。
「もう目がバッチリ覚めました。ところで…。約束…覚えてますよね?私お腹空きました」
「はぁ。分かってますよ!」
沖田は苦笑いする。
鬼ごっこの結果、美海は二回は捕まったのだが、なんとか逃げ切ったのだ。
約束では沖田が甘味処へ連れて行かなければならない。
美海の性格上人の奢りとなれば容赦ないだろう。
財布が危機だなぁ…。
今月生き抜けるでしょうか…。
「いー――っぱい聞きたいことがありますんで甘味処で話してもらいましょうか。宗次郎さん?」
美海はにっこりととびきりの笑顔で言った。
怖いなぁ…。
沖田は憂鬱そうな顔をする。
「よぉし!行こう!」
美海は沖田の手を引っ張り境内を出た。
ガラッ
「いらっしゃーい!あら!立花さん一人?」
甘味処から元気な声が聞こえる。
にっこりと美海は笑う。
「あら!沖田さん!後ろにいたの。相変わらず仲良いわねぇ。さ。座って座って!」
ここは沖田の行き着けの甘味処だ。美海と二人でよく行く。
「何頼む?」
先ほどの店員が注文を受けにきた。
沖田はおどおどと仔犬のような目で美海を見ている。
「じゃあ…とりあえずお萩二個とお汁粉二つとあんみつ4つとお団子10本で!」
「はいよ!ちょっと待っててね!」
沖田が予想していたより少なかったため内心ホッとしている。
普段沖田はこれの倍以上は食べるからだ。
「で。宗次郎ってなんですか?あだ名?」
「宗次郎は私の幼名ですよ」
「幼名?ふーん。なんで幼名で呼ばれてるんですか?」
「あの子達は親に沖田総司…というより新撰組は人斬りだと教えられてるからですよ。子供と言えど、沖田総司の名ぐらい知ってます」
「ふんふん」
美海はいつの間にか来た団子を食べている。
「子供達は沖田総司と聞くと怖がるからですよ。殺されるって。
美海さんも同じことです。あの子達の親がそう教えてるからなんですよ。あまり悪く思わないでやってください」
沖田は苦笑している。
「怖がられるなら遊ばなかったらいいじゃないですか」
美海は少しむっとしている。
「あの子達の親は働いているのであまり相手にしてもらえません。
私達が本気で相手をしてあげないと子供達はグレて不逞浪士になっちゃうかもしれませんよ」
沖田はおどけてみせる。
「ふーん。人が良いんだから」
「でも私だけならまだしも美海さんや新撰組を悪く言われるのは嫌ですね…。新撰組は人斬り集団なんかじゃないのに…」
私は斬り込み隊長ですけど。
沖田は少し切ない顔をしている。